間葉系幹細胞治療と ALSの第1/2相臨床試験
2014年1月20日に、ALSに対する間葉系幹細胞の症例報告がオンライン公開されました。このブログでも、論文が受理された段階でお伝えしています。
間葉系幹細胞治療と ALS
2014年秋には、FDAにより fast track指定されました。
ALSに対する間葉系幹細胞治療がfast-track指定
終了していたはずの臨床試験の結果がなかなか報告されず、やきもきしていましたが、2016年3月1日、ついに臨床試験の結果がオンライン公開されました。
Safety and Clinical Effects of Mesenchymal Stem Cells Secreting Neurotrophic Factor Transplantation in Patients With Amyotrophic Lateral SclerosisResults of Phase 1/2 and 2a Clinical Trials
どうやら安全性や認容性に問題はなく、ALSの進行を抑制したそうです。しかし、オープンラベル試験でソフトエンドポイントを含んでいる (→結果に臨床試験担当者や被験者の意図が混入しやすい) ことや少数例の検討に過ぎないことから、まだ何とも評価が難しいです。今後、より厳格な試験デザインで効果が証明されるのを待ちたいと思います。
あと、気になるのが薬価です。抗癌剤などにおいて、高額な薬価が国の医療費を圧迫されることが問題となってきています。もしこのような治療法がもし将来世の中に出てくるとしたら、いくらくらいの薬価が設定されるのでしょうか。この問題については、下記の記事を読んでみてください。
コストを語らずにきた代償
“絶望”的状況を迎え,われわれはどう振る舞うべきか