今回は純粋な旅行というより、Cochrane診断精度研究のワークショップに参加することが大きな目的。バーミンガム大学でおこなわれるワークショップへの参加は、予めきちんと手続きをしていたつもりだった。だが当日出かける数時間前に、衝撃の事態が発覚した。経緯は次のようなものだった。
@2015年1〜3月に毎月やっているワークショップに 2014年11月に申し込む。
A担当者から「お前、日本から毎月来るのは大変だろう。1月分は受ける必要がない、2月分は受け付けた。出来るだけ少ない回数で済むように調整する。追って連絡する」とメール
B12月19日に問い合わせメールすると、「クリスマス/正月休暇に入るから、1月6日まで対応できない」と自動返信 (I work 3 days per week. In addition, I shall be absent during the Christmas & New Year “shut-down”. I shall next be in the office on Tuesday 6th January.)
C2015年1月20日に相手が「最近 “overseas visitor visa & credentials checking procedure” が導入されて、大学でワークショップを受けるための手続きに 3ヶ月かかる。だから今回は来るな。7月の連続 3日間にするか、オンラインにするか、選んでくれ」とメール→spam filterで気付かなかった上、spam box内のメールを全削除
D2月17日に私が「場所とか時間の詳細を教えてください」とメール
E相手が「1月20日にメールしているぞ。その時のメール内容について、PDFファイルを添付するよ」とメール→spam filterへ
F旅立つ直前になっても連絡がないので、当日朝焦って spam filterをチェックし、2月17日のメールに気付く。1月20日のメール内容も知る。
こんなに直前ではどうしようもないので、担当者に「あなたのメールが迷惑メールフォルダに入っていることに今気付きました。ワークショップに参加できないのは残念ですが、バーミンガムは素晴らしい街です。観光とコンサートを楽しむことにします」というメールを送って家を出た。
午前 9時 45分羽田空港発の BA008便に乗って、一路ロンドンへ。羽田空港から国際便を利用するのは初めてだった。空港のバーで牡蠣を食べたら、機内で下痢が始まり、恐らくノロウイルスだったと思うけれど、あとから考えると、この旅でのドタバタを象徴したような出来事だった。
飛行機は定刻の 13時20分からやや遅れてロンドンヒースロー空港に到着した。空港で入国手続の行列に並んでいるとき、ワークショップの担当者からメールの返信が届いていることに気付いた。そこには、バーミンガム大学の担当者からは、「そういうことなら、いくつか方法を考える。あとでまた連絡する」と書いてあった。
飛行機が遅れたことと、預けた荷物がなかなか出てこなかったので、日本で予め予約していた 15時15分 Marylebone駅発 Birmingham行きの電車のチケットは無駄になってしまった。バーミンガム直行便が見つからず、駅員に聞いても知らない地名を言われるばかりでちっともわからない。駅に時刻表があったので、それを見ながら考えることにした。時刻表を読むのは、20年ぶりくらいだ。
まず、16時 London Marylebone駅を出発し、16時37分 High Wycombe着。ここは非常に小さな田舎の駅だった。次に、16時48分 High Wycombe発、17時40分 Banbury着。Banburyから Leamington Spaまではなんとバスである。18時38分 Leamington Spa発の電車に乗って、19時16分 Birmingham Moor Streetに到着した。途中、バスに乗った時点で、外はすでに真っ暗だった。何とか当日中にホテル Holiday inn Birminghamに着くことができた。ホテルは駅から近くはあるものの、行き方がわかりにくく、少し迷った。
ホテルに着くと、「せっかく来たのだから何とか無駄足にならない方法を考える。◯時に大学に来てくれ」というメールが届いた。駅から大学への行き方など、事細かに書いてあり、相手に対して凄く信頼感を抱いた。Facebookで事の顛末を書いていたら、友人が「イギリス人は意地悪だから、私もひどい目にあったことがあるよ」と返信していたので心配したけれど、今回の件だけを見ると、イギリス人が意地悪だというのは偏見だと思う。
バーミンガム大学に持っていくための研究プロトコルをプリントアウトする必要があったので、ホテルのフロントにお願いすると、「メールしてくれ」といいう話だった。パソコンで仕事をするため、部屋のコンセントにつなごうとしたら、形状がドイツやフランス対応のコネクタでは無理なことに気付いた。そのこともフロントで聞くと、フロント隣の自販機で売っているよと教えてもらった。これは便利だった。