将棋の戦法
昔は将棋の戦法といえば矢倉に組んで居飛車が主流で、横歩取りなんて行儀が悪いし、最初から穴熊に組むのは不利だとかいわれていました。
ところが、序盤の研究が進むにつれて、過去に見向きもされなかった戦法が注目されるようになり、今では穴熊も有力な作戦です。新しい作戦についていけないせいで、序盤に勝負が決まってしまうことも珍しくありません。
最高峰といわれる名人戦で、今年は全て先手が優勢を築いたことにも象徴されるように、作戦を決定する権利を手に入れやすい先手の有利が常識となりつつあります。最初から先手が主導権をとって仕掛けると、後手が一方的に受ける展開になりやすいのです。そして、その展開がなかなか逃れられないように研究が進んでいます。そうなれば一本道です。
後手としては、出来るだけ研究を逃れる展開に持って行きたく、様々に研究されました。そして有力な作戦がいくつか生み出されました。ゴキゲン中飛車、一手損角換わりなどです。一手損角換わりなんていうのは、もともと一手遅く始まる後手が、更に一手損する手を指すという戦法で、ダブルで損じゃないかとも思うのですが、なかなかこれも有用なのです。
さらに、2手目3二飛車、4手目3三角といったユニークな戦法も羽生名人が公式戦で指し、注目を集めています。
ただ、戦法が複雑になりすぎて、アマチュアにはわかりづらいのも事実で、「序盤がつまらない」と思う人が多いのも無理はありません。最近、将棋のとても多くの戦法を網羅したサイトを見つけました。私も勉強中なのですが、実際にサイトにある将棋盤で駒を動かしながら棋譜を見られるので、非常に使いやすいです。作戦を知ってプロの棋譜を見ると、面白み百倍です。