ホイリゲ

By , 2009年1月8日 3:03 AM

昨年 12月 30日は、ウィーンに行ったついでに、ホイリゲに飲みに行きました。ホイリゲは、ワイン酒場。そして、ホイリゲ(新酒)が置いてあります。

非常に寒いので、路面電車のグリンツィングの駅から一番近い店を探しました。それっぽい店に入ると、郷土音楽の酒乱女留じゃなかった、シュランメルなんかを演奏していました。落ち着いた雰囲気の店で、客は私の他に 3組くらいでした。

新酒のワインを飲みながら、まったりと演奏を聴いていました。演奏者はヴァイオリンとアコーディオンの二人組で、それぞれの客のテーブルの前で演奏してチップを貰っていました。

演奏家が私の前にも回ってきて、「ヤポネ?ヤポネ?(日本人か?)」と聞いてきたので、「Ja.」と答えたところ、「シャボン玉」を演奏始めました。続いて、「上を向いて歩こう」の演奏。彼らはどこで日本の曲を覚えたのでしょうか。日本人の観光客から教えて貰ったのでしょうか。チップをはずむと、「荒城の月」を続けて演奏してくれました。チューニングは狂っていたのですが、音程は良く、音色も綺麗で、なにより表現豊かでした。

演奏者は、それからしばらくは休憩したり、他のテーブルの前で演奏していました。一方、私は気持ちよく、ひたすらワインを飲み続けました。

私が出来上がって上機嫌な時、ヴァイオリニストが「ガイゲ?ガイゲ?」と楽器を指さして、私に押しつけてきました。無意識に指を動かしていたので、私がヴァイオリンを弾けることがばれたみたいです。

楽器を渡された私は、何を演奏しようかと迷いました。バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタだと堅苦しいしなぁ・・・。モーツァルト、ベートーヴェンだと無伴奏の曲を知らないし・・・。結局、「Japanese traditional.」と断って、「ふるさと」を演奏しました。

他の客達は静かに耳を傾けてくれて、聴き終わった後に、全員で拍手をくれました。ウィーンの飲み屋で日本の曲を演奏して結構痛快でした。私の演奏ではチップはくれなかったけど(笑)。ただ、あまり盛り上がる曲じゃなくて、もうちょっと明るい曲の方が良かったのかもしれません。現に彼らがチャルダーシュを演奏したときが一番盛り上がっていましたから。

でも、ウィーンで楽器を弾けて、良い思い出になりました。また弾かして貰えるかもしれないし、レパートリーを増やして、機会があったらまた訪れようと、密かに決心したのでした。

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