HIV

By , 2009年2月12日 6:30 AM

先日、当直で HIV/AIDSの症例を経験しました。

症例は 60歳くらいの男性。初診で一過性の意識消失で搬送されてきたのですが、診察すると軽度の意識障害が残存しているようでした。他に神経学的に異常所見なく、採血で CRP 10 mg/dlと炎症反応の上昇と軽度の肝・腎機能障害が見られました。髄液、尿検査、胸部レントゲン、頭部 CTなどのスクリーニング検査で異常がなかったので、敗血症に伴う意識障害を第一の鑑別として、血液培養を提出。念のため HIV抗体を提出して入院としました。

エンピリカルに抗菌薬を使用して様子を見ていたら、翌日血液培養からグラム陰性桿菌が検出され、後日 E. coli と判明しました。入院数日して、HIV抗体も陽性であることが判明しました (B型肝炎、梅毒の重複感染あり)。CD4陽性リンパ球数は 47 /μl と著明に減少し、ウイルス量も30万copy/mlと増加していました。その方は、専門施設に転院されました。

その他に、研修医時代に結核を合併した AIDSの若年男性を診たことがありますが、近年患者数が増加し、HIVは臨床現場でも身近になってきています。感染症専門医でなくても、最低限の知識が求められます。

そこで、国立国際医療センターのサイトでラーニングプログラムがあり、結構勉強になるので紹介しておきます。

国立国際医療センター エイズ治療・研究開発センター HIV/AIDS eラーニング・プログラム

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