Phase 5

By , 2009年5月1日 5:59 AM

昨日、ついに豚インフルエンザが Phase 5となりました。パンデミックを意味する Phase 6も視野に入ってきました。

 <新型インフル>「フェーズ5」に引き上げ WHO

4月30日7時21分配信 毎日新聞

 

【ジュネーブ澤田克己】新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)が世界に拡大している問題で、世界保健機関(WHO)は29日、世界的大流行(パンデミック)に備える警戒レベルを、現行の「フェーズ4」から「パンデミック直前の兆候」を意味する「フェーズ5」に初めて引き上げた。メキシコと米国での人から人への2次感染を重視した。WHOは、各国に高度の警戒を継続し、検疫強化などの対策を取るよう求めた。また、製薬企業にも協力を要請した。マーガレット・チャン事務局長が29日、会見して明らかにした。

「5」は、6段階ある警戒レベルの上から2番目で「人から人への地域レベルの感染が少なくとも2カ国で起き、大流行直前の兆候がある」段階。メキシコに加え米国からも地域レベルの感染報告があったことを引き上げの理由に挙げた。米ニューヨーク市の高校で、メキシコ旅行から帰った生徒からの2次感染が広がったことを考慮した。

インフルエンザ対策責任者であるフクダ事務局長補代理は、パンデミックを意味する「6」に触れ「我々はそこへ向かっている」と、WHOが「6」も視野に入れていることを示唆した。

チャン事務局長は、変異を繰り返すウイルスは「予測不可能」で、「パンデミックがどれだけ深刻なものになるかは最大のなぞだ」と警戒感を表明。「(先進国より)深刻な症状を起こす」と、発展途上国での被害拡大に憂慮を示した。

一方、「4」に引き上げた際に行った、渡航制限や国境閉鎖は行うべきでない▽季節性インフルエンザワクチンの生産は継続されるべきだ--という勧告は維持すると表明した。

各国に新型インフルエンザ対策計画の発動を要請するとともに、インフルエンザに似た病気や肺炎の特異な流行に対する監視を続けるよう求めた。また、インフルエンザ治療薬の提供など、製薬企業にも協力を依頼した。

◇「国内」想定の体制整備を

「フェーズ5」は「2カ国以上で人から人への感染が確認され、パンデミック(世界的大流行)の直前の兆候がある」ことを意味する。日本でも感染者が出ることを想定した対策が改めて急務になったと言える。

新型インフルエンザウイルスは、日本で毎冬に流行する季節性インフルエンザウイルスと同様、「弱毒性」と指摘されている。政府の新型インフルエンザの行動計画は強毒性の鳥インフルエンザを前提に作られており、柔軟に運営することが求められる。また、新型には大半の人に免疫がなく、患者が多発、ピーク時には医療機関に人が殺到し大きな影響が出かねない。現在の水際対策に加え、ワクチン製造や治療手順など体制を整える必要がある。

一方、WHOのチャン事務局長が「特に途上国で致死性が高くなる可能性がある」と言及したように、現在の感染拡大は軽視できる状況ではない。人から人に感染していく過程で毒性が強くなる恐れもある。強毒になるかどうかを早期発見する体制の強化も急務であり、日本を含めた先進国の役割は大きい。【関東晋慈】

比較的、毒性の弱いとされる豚インフルエンザですが、死亡例の多くは下気道への感染が原因となっているようです。いずれ流行すると言われている鳥インフルエンザはこれより遙かに致死率の高く、豚インフルエンザでの対策と反省は、将来、鳥インフルエンザが流行した際に活かされるはずです。

インフルエンザには A, B, C型があります。人に感染するのは A, Bですが、A型インフルエンザは表面のタンパク質で分類されます。HA (ヘマグルチニン) と NA (ノイラミニダーゼ) です。HA は15種類、NAは 9種類あり、通常人に感染するのは H1-3, N1-2のみです。今回は H1N1ですので、例年流行するインフルエンザと同じ型ですので、通常のインフルエンザキットでインフルエンザかどうかある程度判定できますし、従来の薬 (タミフル、リレンザ) も効果があると言われています。一方で、鳥インフルエンザは、人類が過去にほとんど経験していない型のインフルエンザなので、未知の部分が多く、薬も効くかどうかわからないことが問題視されています。

さて、実は今、アメリカで神経内科の国際学会が開かれており、私の医局からも数人参加しています。あと数日で帰国する予定ですが、無事であることを願っています。

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