冤罪

By , 2009年6月5日 8:21 AM

足利事件で犯人とされ、刑を受けた人物が釈放されました。DNA鑑定に誤りがあったそうです。

報道で当時の検察(?)の誇らしげな「でーえぬえー型が一致しました」の発言を見ても、当時はDNAというだけでみんな思考停止していたんだろうなと思いました。

 「17年間の人生返して」=捜査批判、声震わせ-釈放の菅家さんが会見

6月4日20時10分配信 時事通信

「今までの17年間の人生を返してもらいたい」。釈放された菅家利和さん(62)は千葉刑務所を出た後、千葉市内のホテルで記者会見し、「本当にうれしく思います」と語る一方で、「わたしは犯人ではありません」と声を震わせ、刑事司法に重い十字架を突き付けた。

午後4時55分ごろ、会見場に姿を見せた菅家さん。支援者の大きな拍手に迎えられたが、刈り上げた頭に目立つ白髪やしわの深さが、拘置・服役生活の長さを物語った。冒頭では弁護人に促されるように話し、「この17年間犯人にされ、ずーっと我慢してきました」とうつむき加減。

「突然、釈放すると言われたのでびっくりしました」。刑務所での最後の一日。午前中、工場から呼び出され告げられたという。「その時はキョトンとしていたが、そのうち良かったと思いました」と、控えめに笑った。

しかし、事件に話が及ぶと、「当時の警察官、検察官は謝ってほしいと思います」「絶対に許すことはできません」。何度も語気を強め、「間違ったではすみません」と捜査を非難した。

既に両親は他界。「警察に捕まって、おやじはショックで亡くなりました。2年前、母親が亡くなりました。母親はつらかったと思います」。墓前には「自分は犯人ではないので安心してもらいたいと早く報告したい」と語り、「生まれた(足利の)故郷に帰りたいですね」とぽつりと語った。また、女児の墓にも「おじさんは犯人じゃないよ」と伝えたいという。会見では、硬かった表情もほぐれ、徐々に笑顔も見られるように。支援者からヒマワリの花束を受け取ると照れるように笑い、大好きなコーヒーをホテルで飲んだ感想を「ひと味もふた味も違いますね」としみじみと語った。

問題点は、当時の DNA鑑定の精度が低かったにもかかわらずそれを鵜呑みにしたことです。検察側も DNAと聞いて思考停止してしまったんでしょう。

本事件を教訓に再発防止に大切なことは、手法の限界を知ること(精度を把握して利用する)、複数の異なる機関で鑑定が可能とする、試料を残していつでも再鑑定できるようにしておく・・・ということでしょうか。DNA鑑定は Science であるので、再現性は必ず求められなければいけません。

大学時代の法医学の教授は事ある毎に「足利事件は・・・」とか「袴田事件は・・・」と自白の怖さを述べていました。次は「袴田事件」の冤罪が晴らされるのでしょうか?

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