太陽光発電
2014年の太陽光発電導入量は 2008年の 4倍超に――シードプランニング推計
8月 7日 14時 33分配信 Business Media 誠
世界の太陽光発電導入量/生産量(出典:シードプランニング)
市場調査・コンサルティング会社のシード・プランニングは 8月 6日、太陽光発電の市場動向と普及ロードマップに関する調査結果を発表、2008年の世界の太陽光発電導入量は 5347メガワットで、生産量は 6941メガワットと大きく伸びたことが分かった。同社では「スペインがフィード・イン・タリフ※の買取額を電気代の約 3倍と高額にしたことで、飛躍的に導入量が増加した」と分析している。
※フィード・イン・タリフ……太陽光発電で自家消費しなかった電力を電力会社に売る時の買取価格を国などが法律で定める助成制度のこと。
各国で助成制度が設定されていることや、米国でグリーン・ニューディール政策が進められることなどから、同社では今後も市場は伸びるとして、2014年の太陽光発電導入量を 2万 2251メガワット、生産量を 3万 5601メガワットと 2008年の 4~5倍の規模になると予測している。
太陽電池の種類別シェアでは、2007年は薄膜系が 6.8%、結晶系が 87.8%だった。しかしシードプランニングでは、「薄膜シリコンは変換効率は結晶系に劣るが、安価であるため※、主に産業用で広い面積の場所で利用が進む事が予想される」として、2014年には薄膜系が 34.5%、結晶系が 57.1%となると予測した。
※薄膜系太陽電池はガラス基板の上にシリコンを薄く堆積させた構造で、結晶系太陽電池に比べて、原材料のシリコン使用量を削減できる。
太陽電池関連メーカーへのヒアリングなどによる調査で、期間は 2009年 4月~ 7月。
太陽光発電が脚光を浴びているようですね。
奇しくも今月の「Newton」は太陽光発電特集でした。私はそこで太陽光発電のメカニズムを初めて知ったのですが、薄膜系太陽電池についても解説されていました。薄膜系太陽電池は製造コストが大幅に安くなり、インクの代わりに有機溶媒を使用することによって色合いを調節してポスターのように作ることができるなどのメリットがあります。課題はセル変換効率の上昇のようです。
Newtonの記事の中でも新鮮だったのは「ジェネシス計画」。夢のある話です。
例えば、ゴビ砂漠の半分を太陽電池で覆えば、全世界の電力をまかなえるそうです。しかし、夜に太陽光発電は出来ませんから、対策を考える必要があります。
そこで、世界の砂漠に太陽光電池を分散配置します。世界の砂漠の 4%に太陽電池をしきつれば全世界の電力量をまかなうことができます。それらを超伝導ケーブルで結び、昼の世界から夜の世界に電気を送り込めばよいというのです。
各国の利害関係、エネルギーに関わるパワーバランスの変化、超伝導ケーブルに対するテロで深刻な被害を受けるなどの問題点はあるとは思うのですが、夢のような話です。
ジェネシス計画は 1989年に国際会議で提唱された話のようですが、太陽発電が徐々に広まっているところを見ると、少しずつ近づいている話かもしれません。このニュースを読んで、そんな感想を持ちました。