東京スポーツ
10月 2日付けの東京スポーツに、「難病 パーキンソン病 専門医が解説」という記事がありました。直井伸夫という記者の署名記事です。
香川県立中央病院神経内科主任部長の山本光利先生の話を聞いて記事にしています。山本先生は、業界でも名前の知られた先生です。ただ、記事の内容が・・・orz
パーキンソン病の4大症状
①手足のしびれ
②手足のこわばり
③動作が緩慢に
④転びやすい
思いっきり間違えているではないですか!
医学生がこんな解答したら落第します (^^;
山本先生が間違ったことを話したことは、絶対にないと思います。おそらく記者の勘違いなのでしょうね。
ちなみに、パーキンソン病の 4大症状は、Wikipediaに正しく載っているので、転載します。
・安静時振戦 (ふるえ resting tremor)
指にみられることが多いが、上肢全体や下肢、顎などにもみられる。安静にしているときにふるえが起こることが本症の特徴である。精神的な緊張で増強する。動かそうとすると、少なくとも一瞬は止まる。書字困難もみられる。指先のふるえは親指が他の指に対してリズミカルに動くのが特徴的であり、薬を包んだ紙を丸める動作に似ていることからpill rolling signとも呼ばれる。・筋強剛(筋固縮) (rigidity)
力を抜いた状態で関節を他動させた際に抵抗がみられる現象。強剛(固縮)には一定の抵抗が持続する鉛管様強剛(鉛管様固縮、lead pipe rigidity)と抵抗が断続する歯車様強剛(歯車様固縮、cogwheel rigidity)があるが、本疾患では歯車様強剛が特徴的に現れ、とくに手関節(手首)で認めやすい。純粋なパーキンソン病では錐体路障害がないことが特徴である。すなわち四肢の麻痺やバビンスキー反射などは認められないのが普通である。・無動、寡動 (akinesia, bradykinesia)
動作の開始が困難となる。また動作が全体にゆっくりとして、小さくなる。仮面様顔貌(瞬目(まばたき)が少なく大きく見開いた眼や、表情に乏しい顔貌)、すくみ足(歩行開始時に第一歩を踏み出せない)、小刻み歩行、前傾姿勢、小字症、小声症などが特徴的である。ただし床に目印となる線などを引き、それを目標にして歩かせたり、障害物をまたがせたりすると、普通に大またで歩くことが可能である (kinésie paradoxale、逆説性歩行、矛盾性運動)。・姿勢保持反射障害 (postural instability)
バランスを崩しそうになったときに倒れないようにするための反射が弱くなる。加速歩行など。進行すると起き上がることもできなくなる。
さらに、記事中は、「黒質」が「黒室」と記載されていました。
新聞社自身が「東スポの記事を信用する人間はいない」と主張する東スポだから・・・という話もありますが、他の新聞でも似たような誤りを時々見かけます。この手の記事を書くときは、医師のチェックを受けて誤りを正すべきだと、こうした記事を見るたびに思います。