タンパク質科学イラストレイテッド
「蛋白質科学イラストレイテッド (竹縄忠臣著編集, 羊土社)」を読み終えました。今年の春から読み始めたので、半年くらいかかってしまいました。その間に他の本も色々と読みましたが。
前半は、蛋白質の基礎的な話や品質管理の話を中心としていて、非常に読みやすかったのですが、蛋白質修飾の話からだんだん難しくなり、続く蛋白質機能の辺りはちんぷんかんぷんでした。ここを理解するためには、もう少し基本的な本を読まないといけません。
本書の最後は、疾患が具体例に示され、神経変性疾患や分子標的治療薬の標的部位の話などが登場し、臨床に近かったので楽しめました。
全体的には難解だったのですが、神経変性疾患を克服するには、こうした基礎の話が非常に重要な訳で、読んでいて得ることの多い本でした。普段の臨床から少し距離を置いた本も新鮮なものですね。
蛋白質科学イラストレイテッド
第1章 タンパク質の基礎知識 【末次志郎】
第2章 タンパク質動態の基本
1 タンパク質の合成 【姫野俵太】
2 タンパク質の構造 【神田大輔】
3 分子シャペロンとタンパク質のフォールディング 【寺澤和哉,南 道子,南 康文】
4 タンパク質分解【八代田 英樹,小松雅明】
5 タンパク質輸送と局在【谷 佳津子,多賀谷 光男】第3章 タンパク質修飾
1 セリン・スレオニンホスファターゼ 【後藤英仁,稲垣昌樹】
2 チロシンキナーぜ 【小谷武徳,伊東文祥,岡田雅人】
3 哺乳動物細胞のプロテインセリン・スレオニンホスファターゼ 【田村眞理,佐々木 雅人,小林孝安】
4 チロシンホスファターゼ 【大西浩史,的崎 尚】
5 アセチル化,脱アセチル化 【六代 範,北林一生】
6 タンパク質の脂質修飾 【内海俊彦】
7 ポリADP-リボシル化 【三輪正直,金居正幸,内田真啓,花井修次】
8 糖鎖修飾 【佐野琴音,小川温子】第4章 タンパク質機能
1 細胞骨格タンパク質 【馬渕一誠,池辺光男,伊藤知彦,豊島陽子】
2 受容体 【橋本祐一,芳賀達也】
3 情報伝達関連タンパク質 【尾崎惠一,河野通明】
4 転写調節複合体 【吉田 均,北林一生】
5 アポトーシス関連タンパク質 【高澤涼子,酒井潤一,須永 賢,田沼靖一】
6 細胞周期関連タンパク質 【野島 博】第5章 タンパク質分析法
1 タンパク質の分離と精製 【長野光司】
2 マススペクトロメトリーとプロテオミクス解析 【長野光司】
3 タンパク質の発現系 【本庄 栄二郎,黒木良太】第6章 タンパク質と疾患
1 タンパク質分解異常と疾患 -神経変性疾患を中心に- 【荒木陽一,鈴木利治】
2 フォールディング異常と疾患 【大橋 祐美子,内木宏延】
3 タンパク質変異と疾患 -癌にかかわるタンパク質- 【鎌田 徹】
4 癌治療の分子標的タンパク質 【丸 義朗】