はじめてのトポロジー
「はじめてのトポロジー (瀬山士郎著、PHPサイエンス・ワールド新書)」を読み終えました。
トポロジーは位相幾何学のことで、物体をグニャグニャと変形して、特徴を調べる学問のようです。
トポロジーには、「ケーニヒスベルクの橋」にみられるような一筆書き問題など取っつきやすい話題が色々あり、本書でも紹介されています。この辺りまでは楽しめました。
で、ホモロジー (閉曲線で曲面が2つの部分にわかれるかどうか)、ホモトピー (閉曲線が一点に収束するかどうか) といったややこしい用語が出現してきて、その後はついていくのがやっと。最終的にはポアンカレ予想に触れ、2次元の場合の証明をしていたのですが、ここはちんぷんかんぷんでした。ただ、ポアンカレ予想とは何なのか雰囲気がわかったのは良かったです。
ポアンカレ予想とは「n次元ホモトピー球面はn次元球面に同相である」というものです。3次元以外は既に全て証明されていて、3次元の場合が問題になっていました。
3次元球面では任意の閉曲線は一点に収束します。ボールの上に輪を描いて縮めていくと、一点に収束するのは直感的にわかると思います。
3次元トーラス (タイヤのチューブの形)、射影空間では一点に収束しない曲線が引けるので、3次元球面とは性質が異なります。
逆に、3次元において任意の閉曲線が全て一点に収束する図形は本物の球面と言ってよいか?というのがポアンカレ予想の主旨であると思います (この分野は素人なので、間違っていたら御指摘ください)。
これを証明したのがペレルマンでした。まぁ、彼がフィールズ賞を辞退したとか、1億円近い賞金を受け取ってないとか、失踪したとか、紆余曲折があっていくつも本が出ています。
難しいけれど、面白い学問があるものだなぁと思いました。
某先生から、K総合病院神経内科部長の F先生はトポロジストだったと聞きました。びっくりしました。