多発性硬化症ガイドライン
2010年 3月 31日付けで「多発性硬化症治療ガイドライン 2009」が出たようです。東北大学大学院医学研究科多発性硬化症治療学寄附講座で紹介されていました。
2008年夏頃には、確か2008年の秋頃出ると言われていたんですよね。多発性硬化症治療ガイドライン2009と言いながら 2010年春のこの時期に出たのは、視神経脊髄型に対するとらえ方に議論があるのが原因ではないかと邪推してしまいます。元々、Neuromyelitis opticaをどう捉えるかについて、東北大学と九州大学でかなりスタンスが違い、激論が展開されています。東北大学は抗アクアポリン4抗体に多くの原因を求め、九州大学はそんな単純なものではないとしています。色々な意見があるのは学問では良いことですが、ガイドラインを作る上では落としどころが難しかったのかもしれませんね。
このガイドラインでは、治療だけでなく、多発性硬化症の分類におけるこれまでのいきさつや診断基準なども冒頭にわかりやすく纏められています。172ページと長いので、最初の 20ページくらいをざっと読んで、あとはそれぞれの治療薬について結論だけ斜め読みするのがいいのではないかと思います。