クーベリック

By , 2010年6月9日 6:18 PM

クーベリック・・・と聴くと、多くのクラシック愛好家は指揮者の「ラファエル・クーベリック」を思い浮かべるのではないでしょうか?しかし、ヴァイオリン弾きにとってのクーベリックは「ヤン・クーベリック」なのです。

ヤン・クーベリック(以下、クーベリック)は、セヴシックと共にプラハ派の中心人物でした。セヴシックはクーベリックの師ですが、ヴァイオリン弾きはあのメカニックな練習教本で嫌と言うほど名前を胸に刻み込んでいる筈です (^^;

さて、録音で聴くクーベリックの演奏は、コントロールされたボウイングと、甘いポルタメントが散りばめられた演奏の滑らかさが特徴であるように私には思えますが、ハルトナックは「(1905年~1920年の録音について)これは、かつての好調時の彼がもっていた芸の艶を失っており、同時に、いわゆるプラハ派をみずから絶対的に率いていたこのヴァイオリニストの名声の輝きもまた薄れたしろものなのである」と酷評しています(「二十世紀の名ヴァイオリニスト」ヨーアヒム・ハルトナック著、松本道介訳、白水社)。

全盛期のクーベリックを聴くことは叶いませんが、せめていくつかの録音から彼の残り香を感じることにしたいと思います。

・Jan Kubelik plays Bazzini

・Jan Kubelik plays Paganini Caprice 6

・Kubelik plays Sixth Sonata by Handel

・Romanza Andaluza by Kubelik

・Jan Kubelik – Zigeunerweisen (1913)

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