Dabigatran承認
11月 17日のブログでお伝えした新しい抗凝固薬、Dabigatranがついに国内でも承認される見通しとなりました。なお、新薬の場合、発売後 1年間は 2週間処方のしばりがありますので、恩恵を受けるのはもう少し先になるかもしれません。
アルツハイマーのメマンチンなども騒がれていた薬です。アルツハイマー病に著効するとまでは言えないように思いますが、治療のオプションにはなると思います。アリセプトを処方したとき、アルツハイマー病よりもむしろ「びまん性レビー小体病」で効果を実感することが多いように、メマンチンもひょっとするとアルツハイマー病以外に効果が期待できる疾患があるかもしれません。
新規アルツハイマー治療薬2品目の承認を了承―医薬品第一部会
医療介護CBニュース 11月24日(水)23時0分配信
新たなアルツハイマー型認知症治療薬2品目が年明けにも承認される見通しとなった。11月24日の厚生労働省の薬事・食品衛生審議会(薬食審)医薬品第一部会で、第一三共のメマリー錠(成分名=メマンチン)、ヤンセンファーマのレミニール錠・OD錠・内用液(ガランタミン)の承認が了承された。現在、国内に同治療薬はエーザイのアリセプトしかなく、承認されると選択肢が広がることになる。メマリーは中等度、高度のアルツハイマー型認知症での認知症症状の進行抑制が効能・効果。世界68か国で承認されており、海外では標準的治療薬の一つとして位置付けられているという。同薬はアリセプトと異なる作用機序(NMDA受容体拮抗薬)を持つため、アリセプトとの併用が可能。年内にも開かれる薬食審薬事分科会で再度審議(審議品目)される。
一方、レミニールはアリセプトと同じ作用機序(アセチルコリンエステラーゼ阻害薬)を持ち、世界71か国で承認済み。メマリーと同様、海外では標準的治療薬として位置付けられているという。効能・効果は軽度、中等度のアルツハイマー型認知症での認知症症状の進行抑制。薬事分科会では報告扱い(報告品目)となる。
この日、第一部会が審議を行い、承認を了承したのは全5品目で、他の3品目は、▽日本ベーリンガーインゲルハイムの非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中、全身性塞栓症の治療薬プラザキサカプセル(ダビガトラン)▽帝人ファーマの痛風、高尿酸血症治療薬フェブリク錠(フェブキソスタット)▽協和発酵キリンの慢性特発性血小板減少性紫斑病治療薬ロミプレート皮下注(ロミプロスチム)―。
このうちプラザキサは、今年10月に米国で50年以上ぶりの新規の経口抗凝固薬として承認された。同薬は血栓の形成プロセスで中心的な役割を果たすトロンビンの活性を特異的に阻害する新しい作用機序(直接トロンビン阻害剤)を持つ。
プラザキサとロミプレートは分科会審議品目、フェブリクは報告品目となる。また、11月10日に開かれた同省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で、臨床試験を行わなくていい「公知申請」が可能と判断された、▽リュープリン(武田薬品工業)の用法・用量の追加(中枢性思春期早発症の最大投与量の引き上げ)▽ソル・メドロール(ファイザー)の適応追加(ネフローゼ症候群)―の2件について事前評価を行い、「公知申請を行って差し支えない」とした。これを受け、2件は保険適用される。
もう一つ興味深いニュース。
ハンチントン病治療に道 原因遺伝子の働き抑制
不随意運動や精神症状が出る難病「ハンチントン病」の患者の細胞で、原因遺伝子の働きを抑えることに成功したと、国立精神・神経医療研究センターと国立病院機構大牟田病院(福岡県)の研究チームが24日、発表した。
これまで存在しなかった治療法の開発に道を開くものだという。
同センター神経研究所の北條浩彦室長らは、原因遺伝子の塩基配列の中で、正常な遺伝子と異なっている塩基に注目。これを目印にし、RNA干渉という方法を使って原因遺伝子の働きだけを止めることに成功した。
この目印は約6時間で特定することができ、患者によって塩基の構成が違っていても、正常型と異常型の遺伝子の違いを検出できるという。
今後は、患者の体の中で安全で有効に実施できる方法の研究が必要。同じような原因で起きる筋強直性ジストロフィー、脊髄小脳変性症などの治療にもつながりそうだ。
研究結果は米科学アカデミー紀要に掲載された。
論文を見つけました。まだ読んでいませんが、時間が出来たら、是非。
Tailor-made RNAi knockdown against triplet repeat disease-causing alleles