新世界
以前、ズービン・メータ『第九』~ 復興支援演奏会 in ミュンヘンについてお伝えしました。
最近、東日本大震災チャリティー・コンサートの第二弾、チェコフィルによる新世界 (指揮:イオン・マリン) の CDを聴きました。心に沁み入る、とても良い演奏でした。この曲の二楽章の主題は、「遠き山に日は落ちて」などの愛唱歌に編曲されたことでも有名ですね。
実はチェコフィルは、震災の時日本ツアーの真っ只中だったのですが、地震のほとんどないチェコに住む彼らは、余震に耐えられず、大統領判断により政府の用意した飛行機により帰国してしまったそうなのです。しかし、彼らはそのことに心を痛めていたようです。その後の経過がライナーノートに書いてあります。
3月の下旬、親戚の見舞いに行っていた大阪で、僕は一本の電話をとりました。それはチェコ・フィルの総裁からのものでした。「楽団総員の申し出で、愛する日本へのチャリティー・コンサートを行いたい。それにはチェコの政府も前向きで、プラハ城内で行うことが出来そうだ。」というものでした。当初日本への思いからなるコンサートなので、団員の総意として指揮者には是非小林研一郎氏の起用を」という強い希望がありましたが、あいにくスケジュールが合いませんでした。そこで、オーケストラと近い指揮者たちの中でイオン・マリン氏が担当することになり、このコンサートの実現となったのです。実に発案から 1週間ほどのスピーディーさでした。(江崎友淑)
CDの収益金の一部は義援金として日本赤十字社に寄付されます。是非、聴いてみてください。
Amazon: ドヴォルザーク:交響曲第 9番「新世界より」
(追記)
このコンサートを BSフジで聴かれた方のブログがあります。本当は樫本大進の演奏もあったそうなのですが、CDには収録されていません。そこが少し残念でした。
日々雑録 または 魔法の竪琴-東日本大震災チャリティ チェコフィル演奏会 樫本(Vn), マリン(指揮)-