大学病院
私の科では、研修医は何名かいますが、直接患者を持たない指導医を除くと、医局員は病棟に2人しかいません。医師-患者関係がこじれた症例や、VIP、暴○団関係者などは研修医に持たせられないため、基本的に私ともう一人の医師でみることになります。学問的に困難な症例を持つことも多いのですが、何故か一般的な症例の筈が、入院後、症例報告ものであることが多くてびっくりしています。他の先生が主治医になるとそんなことはないのに、珍しい病気が集まる星の下に生まれているのでしょうか?
郡山時代の症例を論文にするのと並行して、大学での症例も学会発表、論文報告しないとなりません。珍しい症例は、情報がないので、次にその症例に遭遇する医師のためにも、論文にするのは医師の義務と思います。
私が研修したころと、大学病院もかなり変わっていて、自宅に病棟から電話がかかってくることがめっきり少なくなりました。研修医に経験をつませるためか、「脱水症の老人」とか、場末の病院のような入院も増えました。大学病院の機能について考えるところもあります。
研修制度が変わってから、大学からの給料が上がりました。月20万円くらい貰っています。当直は月3回(うち1回は土日)で、その手当はtotalで2万円(時給270円前後)です。一方で、大学病院では、退職金やボーナスを払わなくて済むように、定期的に出張に出して、短期労働者扱いにしているトリックがあります。
出来るだけ自宅に電話しないとか、給料のアップに関しては、おそらく、研修医を集められない病院は、淘汰されていくので、待遇の改善が始まったのではないかと感じています。昔は大学病院の月給は、3-5万円が相場でしたし、毎日のように、看護師から問い合わせの電話がありました。検体を手術室から検査室に運ぶためだけに、深夜に病院に呼び出された研修医もいたと聞いたことがあります。研修医の奪い合いと並行して、看護師の奪い合いも大変みたいです