Parkinson病のニュース
Parkinson病についての研究がニュースになっていました。2年前にお伝えしたニュースの続報です。
パーキンソン病:発症抑える仕組み解明 都医学総研所長ら
毎日新聞 2012年08月22日 00時37分
神経難病「パーキンソン病」の発症を抑える仕組みを、田中啓二・東京都医学総合研究所長らのチームが解明し、21日の英科学誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」電子版に発表した。パーキンソン病の原因となる細胞内の小器官「ミトコンドリア」の異常を早期に見つけることが可能になり、病気の早期発見、治療に役立つという。
パーキンソン病のうち20〜30代で発症する「若年性パーキンソン病」は、二つの遺伝子が働かないことでミトコンドリアの異常が蓄積し、運動障害が起きる。
チームは、二つの遺伝子のうち「ピンク1」の働き方を調べた。その結果、ヒトの正常なピンク1遺伝子は、ミトコンドリアに異常が起きるとリン酸と結び付いて働き始め、異常ミトコンドリアが分解された。一方、若年性パーキンソン病患者のピンク1遺伝子は、リン酸と結び付かず機能しなかった。
チームの松田憲之主席研究員は「異常ミトコンドリアの増加や分解が進まないときに、リン酸と結びついたピンク1遺伝子を検出する方法を開発すれば、病気の早期発見につながる」と話す。【永山悦子】
論文リンクはこちら。
PINK1 autophosphorylation upon membrane potential dissipation is essential for Parkin recruitment to damaged mitochondria
ここで論文にされた Parkin-PINK1系については、次々と新しいことがわかってきているので、今後の課題は Parkin, PINK1変異による遺伝性 Parkinson病で得られた知見を孤発性 Parkinson病にどこまで活かせるか、ですね。