ヴァイオリン押収
1億円バイオリン押収、堀米ゆず子さん訴訟検討
【ベルリン=三好範英】ベルギー在住の世界的バイオリニスト、堀米ゆず子さん(54)が、所有するバイオリンの名器ガルネリをドイツ・フランクフルト国際空港税関で押収されていたことが分かった。
フランクフルト空港税関報道官などによると、堀米さんは、16日に乗り継ぎのため東京から同空港に到着した際、無申告の場合に通過する緑色の表示の出口から出ようとした。
その際、手荷物のケースに入れたバイオリンが検査の対象となり、輸入関税をこれまでに払ったことを示す証明書や、物品の由来を示す書類などを所持していなかったため、押収の対象となったという。
税関報道官は、「関税を確実に払ってもらうためと、脱税の可能性もあり証拠品としての押収」と説明している。
現在、審査中だが、堀米さんはバイオリンの評価額100万ユーロ(約1億円)の19%に当たる19万ユーロ(約1900万円)の関税の支払いを求められているという。ただ税関報道官は審査の結果、「仕事の道具」の扱いで無税となる可能性もあるとしている。
堀米さんは1980年、ブリュッセルのエリザベート王妃国際音楽コンクールで日本人として初めて優勝。世界有数のオーケストラと共演するなど、国際的に活躍している。
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東京からの電話取材に対し、堀米さんは「楽器は仕事の道具であり、演奏家にとって体の一部のようなもの。今まで何度もフランクフルト空港を利用しているが、何の問題もなかった。なぜ突然こんなことになるのか分からない」と話し、訴訟を起こすことも検討している。
(2012年8月22日07時10分 読売新聞)
弦楽器は、楽器によって癖がかなり違います。サイズや持った時の感触は違うし、よく鳴らすためのテクニックも違ってきます。本番はもちろんのこと、毎日その楽器で練習もしないといけませんので、演奏家は肌身離さず楽器を持ち歩くことになります。
こうした演奏家にとって、楽器が押収されることがあるというのは、信じられない大変なニュースですね。
慣習的にこういうことはありえないのですが、記事に「輸入関税をこれまでに払ったことを示す証明書や、物品の由来を示す書類などを所持していなかったため、」とあるので、空港職員が規則をそのまま適応してしまったようです。「規則に忠実で頑固」と揶揄されるドイツ人相手となると、交渉が難航することが想像されます。
クラシック音楽に理解ある政治家が動いてくれると良いのですが・・・。
追記 (2012.9.22 )
ヴァイオリンは変換されることになったそうです。良かった良かった。
堀米さんのバイオリン、独税関が無条件で返還へ
読売新聞 9月22日(土)0時27分配信
ベルギー在住のバイオリニスト、堀米ゆず子さん(54)所有のバイオリンの名器ガルネリが、ドイツ・フランクフルト国際空港税関に押収されていた問題で、同税関が20日、楽器を無条件で返還すると堀米さんに通知してきたことが分かった。
21日に一時帰国した堀米さんが、日本の音楽関係者に伝えてきた。
堀米さんは、8月16日に東京から同空港に到着した際、手荷物のバイオリンについて、自身の所有物であることを示す書類などを所持していなかったため、楽器を押収された。同税関は、バイオリンの評価額の19%に当たる19万ユーロ(約1900万円)の関税の支払いを求めていた。審査の結果、堀米さん自身の所有物であることが証明されたため、無税扱いになったとみられる。関係者によると、堀米さんは「ほっとした様子でとても喜んでいた」という。