第 2回 Journal club
12月21日に第 2回 Journal clubを開催しました。
ぶぶのすけ先生は、多発性硬化症についての論文を読んできました。
Shift work at young age is associated with increased risk for multiple sclerosis.
2つの独立した population based, case-control studyを元に調べた。20歳以下でシフトワークすることは、多発性硬化症に罹患するリスクとなる。原因としては、日内リズムの障害や睡眠制限がメラトニン分泌の障害と関係しており、炎症反応をもたらすためかもしれない。
シフトワークというのは、日勤とか夜勤を交互に繰り返す勤務形態ですが、日内リズムが障害されやすく、様々な疾患リスクを高めることが報告されています。この論文は、疫学から迫った研究のようですが、メラトニン分泌の障害が何故多発性硬化症を起こしやすくするのかなど、いまいち釈然としませんでした。また、20歳以下でシフトワーカーになるということは、経済的に貧しい人が多いのではないかと推測され、そのバイアスはどうなのだろうと感じました。
次に、兄やん先生は、ラクナ梗塞に対する抗血小板薬についての論文を読んできました。
Effects of clopidogrel added to aspirin in patients with recent lacunar stroke.
この論文の内容については、別のブログで紹介されていたので、そちらへのリンクを貼っておきます。
ラクナ梗塞の二次予防に対して、アスピリンにクロピドグレルを併用すると出血と死亡リスクが上昇
ラクナ梗塞の発症メカニズムを考えると、アスピリンとクロピドグレルを併用してもあまり効かないことは想像できるし、ラクナ梗塞では micro bleedsの頻度が多いことから、ある程度頭蓋内出血が増えることも想像できます。消化管出血は言わずもがなです。
私は、Hoehnと Yahrが書いた論文を読んできました。1967年の古い論文です。Parkinson病の “Hoehn & Yahr分類” というと分かる人が多いかもしれません。
Parkinsonism: onset, progression and mortality.
内容については、Power Pointに纏めたので下に貼っておきます (※二次使用の際は、miguchi@miguchi.netまで御一報ください)。Parkinson病の中に進行性核上性麻痺や多系統萎縮症などが含まれていることが推測されたり、色々割り引いて評価しないといけない部分はありますが、疾患の特徴をかなり詳細に評価しており、参考になります。単なる重症度分類として意味があるだけではありません。
Parkinsonism抄読会用ファイル