わが真実
「ミッシャ・マイスキー『わが真実』、伊熊よし子著、小学館」を読み終えました。
ミッシャ・マイスキーについてのドキュメンタリー番組を見たときから、誠実な演奏家だなとの感想を持っていました。録画したビデオを何度も繰り返し見た記憶があります。
彼は、全ロシアコンクールで優勝しながら、KGBによって無実のまま牢獄に入れられます。強制労働の合間、独房の窓の間から、一枚の葉っぱが舞い込んでいたことで「生」を感じ、その葉っぱを大事にしていたエピソードが残っています。
彼がドキュメンタリーで語る言葉から、演奏が聴きたくなり、CDを買いました。バッハの無伴奏チェロ組曲ですが、1984年と1999年の録音両方聴き比べました。どちらも胸を打つ演奏でした。
本書の中で、知らない彼のことをたくさん知りましたが、過去に見たドキュメンタリーでのイメージ通りでした。苦難のいくつかに、読んでいて泣きそうになりました。
最近、乾いている人には、お薦めの一冊です。