夜間の診療制限

By , 2007年4月14日 10:09 PM

当直医の負担を減らすために、夜間の診療制限を始める病院が出てきています。素直に評価出来ます。

病院は公共施設なのだから、24時間診療するべきだという意見があるのはわかります。しかし、医師数が足りていない現実があります。医師は昼働いて、夜当直して、次の日の昼働いていて、何とか病院が持っているのが現状です。夜間に患者が殺到すれば、数時間の仮眠すらとれずに翌日の診療を行わざるを得ません。こうした条件での作業効率の低下は、飲酒と同レベルだという報告があります。もちろん労働基準法違反です。

24時間診療にこだわり、交代勤務を導入するためには、8時間交代としても、医師数を現在の相当数増やす必要があります。また、事務、薬剤師、検査技師等も 24時間体制にすると、人件費で病院が倒産します。医療費の著しい国民負担増加を受け入れられるのなら、医学部の定員を増やし、15年後くらいには実現出来るかもしれません。

ちなみに、アメリカでは、受診に際して診療予約をとる必要があり、だいたい予約が取れるのに数日かかるため、風邪での受診はあまりしないようです。医療費が高いというのもありますが。

伊関友伸のブログ-急患医療:“お気軽受診”の市外患者増え「診察を断る場合も」--大崎市 /宮城-

大崎市は同市医師会に委託し平日夜間と土曜午後・夜間に行っている急患医療で、市外の患者が増えていることから、栗原、美里、加美など隣接6市町に「医療機関の状況によっては診察を断ることもある」などと文書で申し入れた。病院の適切な利用を住民に啓発するよう求めている。

急患医療は旧古川市以来12年目。市の単独事業で年間1億円を負担し、古川地域の8病院が週1・5回の割合で担当。隣接市町は無負担。

制度が知れわたるとともに、ちょっとした風邪でも「夜間の方が空いている」といったお気軽受診が市内外問わず増え、実質徹夜して翌日勤務に就く医療スタッフの心身を蝕(むしば)んでいるという。

(参考) アメリカの医療 (風邪の診療)
アメリカと日本の医療システムの違い
アメリカ事情 from Mitsuko

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