音楽家たちに囲まれて
9月1日に、ヴァイオリニストの成田達輝さん、作曲家の酒井健治さん達と数人で、リヨン料理の店で飲みました。
なんとその日、酒井健治さんは芥川作曲賞授賞が決定し、レセプションに参加してから駆けつけることになったのでした。
芥川作曲賞:酒井健治さんに決まる
毎日新聞 2013年09月01日 19時49分
第23回芥川作曲賞(サントリー芸術財団制定)の公開演奏・選考会が1日、東京都港区のサントリーホールで開かれ、酒井健治さん(36)の「ヴァイオリンとオーケストラのための協奏曲」に決まった。同賞は国内外で昨年初演された若手の管弦楽作品を対象とし、最終候補3曲を大井剛史さんの指揮で新日本フィルが演奏。酒井作品は審査員の伊藤弘之ら3氏により「完成度の高さと芸術性の豊かさ」が評価された。同曲はエリザベート王妃国際コンクール作曲部門でもグランプリに輝いている。酒井さんは大阪府出身で、武満徹作曲賞第1位など受賞多数。
受賞作品を成田達輝さんがエリザベートコンクールで演奏したときの動画が Youtubeで見られます。「あるシンプルなメロディーがオーケストラに伝播していき、形を変えて戻ってきて、それがハーモニーになる」というのが一つのコンセプトらしいです。
・Tatsuki Narita | Sakai Kenji Violin Concerto | Queen Elisabeth Competition | 2012
私はこの手の現代音楽をほとんど聴かないので、色々初歩的な質問をぶつけたのですが、酒井健治氏は色々丁寧に教えてくださいました。現代音楽におけるオクターブの位置づけや、微分音についてなど興味深かったです。彼は、「バッハも好きだしベートーヴェンも好きだし、こうした曲もよく聴くけれど、たまたま今の自分の表現したいことを伝えているのが、こういうスタイルなんだ」みたいなことをおっしゃっていました。同席した医師は、「作曲する上で、リズム、ハーモニー、メロディーの中で何を最も重視するか?」などとマニアックな質問をしていましたが、酒井氏は「ハーモニーだと思う。メロディーはあまり重要じゃなくて、出てきても断片的」と答えていました。他にもマニアックなトークたっぷりの、充実した飲み会でした。サインを御願いしたところ、即興で私のために作曲したものを書いてくださいました。多分、歴史的に貴重なサインです (^^)
成田達輝さんとは、10月にパリで会う予定で、その旅行中に酒井健治さんとベルギーで会えるように日程調整中です。
彼らはこれからはクラシック音楽業界をリードすること確実な、というか既にリードしている、日本人若手音楽家達です。クラシック音楽マニアじゃなくても、いずれ名前をよく耳にする時代がくるでしょう。