マンガでわかる統計学
「マンガでわかる統計学 (大上丈彦著、メダカカレッジ監修、サイエンス・アイ新書)」を読み終えました。
ゆる~い雰囲気で、直感的にわかることを重視した本で、サクサク読めました。
さらに肩のこらない例のマンガが、統計学のハードルを下げています。例えば、「よくあるエロ系雑誌のアンケートマジック 『東京の女子高生の初体験は平均 17歳!!』」を題材にして、「東京のどこよ?」と突っ込み、さらに「質問した時まだ未経験でこれからもずっと処女な人は一体どう計算するの?」と疑問を述べます (p179)。これは、ランダムサンプリングの重要性について述べた場面でのマンガでした。
コラムではこんな実践的な例の呈示もあります (p154)。本書を読むと、このような計算が一発で出来るようになります。
「七王子メディカルセンター」(架空の病院です) の夜間救急外来では、平均すると 4日に一度くらい、救急搬送後に集中治療室に入院する患者がいるという。集中治療室のベッドは 2床あいており、これが埋まったら救急車の受け入れを拒否せざるをえないとする。救急車の受け入れ拒否が発生する確率はどれほどか。ただし、救急患者の搬送はポアソン分布に従うと仮定する。
「マンガ」というタイトルのせいで軽く見られてしまいがちですが、「平均・分散・標準偏差」「正規分布」から説明を始め、最終的には「いろいろな分布」「推測統計」「仮説検定」に到達するかなりレベルの高い内容です。とはいえ、直感的に理解できるようになっているので、統計学をゼロから学びたい方に御薦めの本です。