KIR4.1
2012年7月12日の New England Journal of Medicine誌に、多発性硬化症の患者血清中に存在する抗体を検索し、抗 KIR4.1抗体が同定されたという論文が掲載されました。
Potassium Channel KIR4.1 as an Immune Target in Multiple Sclerosis
この抗体は、調べた多発性硬化症患者の 46.9% (397名中 186名) で検出されるという驚きの結果でした。多発性硬化症の原因についてはこれまで議論のあるところでしたが、その解明に大きな影響を与える研究であることは間違いありません。
そして 2014年2月21日に、アメリカ神経学会のサイトにプレスリリースが掲載されました。
Antibody May Be Detectable in Blood Years Before MS Symptoms Appear
なんと、多発性硬化症を後に発症する患者では、臨床症状が出現する数年前から抗 KIR 4.1抗体の抗体価が上昇しているそうです。この研究は 2014年4月26日~5月3日にフィラデルフィアで行われる第 66回アメリカ神経学会年次総会で発表される予定とのことです。
多発性硬化症の治療薬は開発ラッシュが続いていますが、病因研究においても breakthroughが来ているのかなと思います。