DICの SWI画像
2014年4月号の JAMA neurologyを見ていたら、びっくりするような画像が載っていました (契約していなくても、下記リンクで画像は見られます)。
Extensive Cerebral Microhemorrhages Caused by Acute Disseminated Intravascular Coagulation Secondary to Sepsis
敗血症により DIC (播種性血管内凝固症候群) を起こした患者に、脳MRIの磁化率強調画像 (SWI) を撮像したところ、多発する微小出血が確認されたとする症例報告です。その患者には鎌状赤血球症があったそうですが、論文の記載を見ると、そのことは影響していなさそうでした。ちなみに、この症例は四肢麻痺などの神経症状がみられたものの回復良く、リハビリ施設に転院していったそうです。
SWIは出血性病変を評価するのに優れた撮像法です。敗血症→DICでみられる神経症状は、ついつい「循環障害や低酸素のせいではないか」と考えてしまいがちですが、こうした画像を見ると、多発する微小脳出血が原因となっている症例も混ざっているのかもしれません。一方で本症例は神経症状の原因が別にあり、たまたま微小脳出血が併存していた可能性も否定はできません。DICでの多発する微小脳出血と神経症状の関連は、今後の臨床研究で評価していく必要があると思います 。