インドにおけるレイプ事件被害者への診察
少し前、インドでのレイプ事件が大きなニュースとなりました。
2012年インド集団強姦事件
その後も、悲惨な事件は続いているようです。
レイプ事件の被害者に対し、インドでは医療機関で “re-rape” のような診察が行われていることが、2014年5月16日の British Medical Journalで取り上げられていました。著者の所属は “medical student, Faculty of Medicine, University of Southampton” となっていて、医学生でしょうか。
India’s two finger test after rape violates women and should be eliminated from medical practice
その診察法とは “two finger test” と呼ばれるものです。レイプ被害者の女性器に指を入れて、1本何とか入れば処女だった、2本入れば普段から性行為をしていると判断します。しかし、この診察法に医学的根拠はなく、単に女性に苦痛を与えるだけであることが問題視されています。さらに、女性が普段から性行為をしていると判定された場合、レイプを受け入れたと判断される危険性もあるそうです (何じゃそりゃ!)。たちの悪いことに、”two finger test” はインドの医学書に書かれていたりするらしいのです。
しかし、2014年3月、インドの保健省は公式に性的被害者に対する医学的検査のガイドラインやプロトコルを定めました。そのガイドラインやプロトコルは WHOのガイドラインに沿っていて、すべての医療施設で “two finger test” の使用を中止するようになっています。効果は期待されていますが、浸透するまでにまだまだ時間がかかりそうです。
インドのレイプ問題はニュースで知ってはいましたが、この論文を読むまで被害者の診察でこのような問題が起きていることは知りませんでした。British Medical Journalは、よくぞこの問題を取り上げてくれたと思います。