アルテミス・カルテット
アルテミス・カルテットのコンサートに行ってきました。アルテミス弦楽四重奏団は、現在非常に評価の高いカルテットです。知り合いの集中治療医から声をかけていただき、当日券で聴くことが出来ました。
クァルテットの饗宴 2014
アルテミス・カルテット (ヴィネタ・サレイカ, グレゴール・ジーグル, フリーデマン・ヴァイグレ, エッカート・ルンゲ)
2014年5月27日 (火) 午後 7時 紀尾井ホール
ブラームス:弦楽四重奏曲第1番 ハ短調 Op.51-1
クルターグ:小オフィチウム アンドレーエ・セルヴァーンスキーを追悼して Op.28
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第 14番 嬰ハ短調 Op.131
まず一曲目はブラームス。洗練されていて、一つのスタイルとして完成されていました。しかし表現がやや抑制的であり、もう少し情熱的に盛り上がる方が、ブラームスの演奏としては私の好みでした。
クルターグは 15の短い部分から出来上がっていて、色々と音楽的な仕掛けのある曲です。あまり演奏が素晴らしかったので、うっとりと聴き入ってしまい、分析的に聴くことができませんでした。楽譜を見ながら何度か聴きたいと思いました。
ベートーヴェンは、私が最も好きな作曲家で、弦楽四重奏曲は普段から好んで聴くので楽しみにしていました。アルテミス・カルテットの演奏は、細部まで疎かにせず、練りに練っているのがよくわかりました。工夫が見えて楽しい演奏でした。また、この弦楽四重奏団はセカンドヴァイオリンのレベルがすごく高くて、表現力はファーストヴァイオリンと比べて遜色がありません。そのため、掛け合いなどでは、眼を閉じるとどちらが弾いているかわからないくらいバランスが良いのが、印象に残りました。
「完璧すぎるのが欠点」とまで言われたアルバン・ベルク弦楽四重奏団の後継者と目されているのが理解できる、素晴らしい弦楽四重奏団でした。
コンサートを終えて、いつもの如く Tizianoで軽く飲んで帰宅しました。