お尻受難
2014年6月30日まで沖縄に行っていた話を前回しましたが、その続きです。
7月1日、肛門の左側の皮膚を触るとチクッとするのに気づきました。触った感触では虫刺されのように盛り上がっています。「沖縄で乗馬したとき、外で裸でシャワー浴びたから、そのとき刺されたのかな」と思って様子をみることにしました。
7月2,3日は、鈍痛がかなり強くなってきました。
7月4日、風呂あがりに iPhoneで写真を撮ってみると、左尻の内側に 2本線状の発赤があり、一部膨隆しています。これはただの虫さされじゃないと思って、Facebookの医者仲間に見せたら、「幼虫跛行症じゃないか」とか恐ろしい意見を頂きました。灼熱痛が強く、仕事が何も手に付かないレベルです。勤務先の皮膚科医に写真を見せたら、「ステロイドでも塗っとけば」と言われました。しかし、あまりに痛みがひどすぎるので、仕事帰りに職場近くの皮膚科クリニックを受診したら、帯状疱疹と言われました。「鑑別は単純ヘルペスだけどね」と笑われたので、「心当たりないですよ」と答えたら、「前に診た人もそう言ってましたよ」と。ちなみに単純ヘルペス 2型は性感染症なんですね。本当に心当たりはないです (´・ω・`)。
この日から、バルトレックスを開始しました。帯状疱疹急性期の疼痛は、侵害受容性疼痛です。そのため NSAIDsを内服しました。帯状疱疹と診断がついてから考えてみれば、ちょうど S4くらいが中心で神経支配に沿っています。この領域の帯状疱疹で膀胱直腸障害を呈した症例報告を読み、ちょっとビクビクしていました (私の皮疹の大きさは、ちょうど症例 1と症例 2の間くらいでした)。
7月5日が症状のピークで、起床時は 37.5℃の発熱があり、jolt accentuationと軽度の吐気もありました。おそらく軽い髄膜炎を起こしていて、大学病院だったら髄液検査されちゃうのでしょう。何とか 2時間くらいかけて出勤し、後輩に申し送りをして早退し、2時間くらいかけて家に着きました。7月5, 6日は自宅でゴロゴロして過ごしました。
7月7日頃には痛みが半分くらいまで和らぎ、皮疹は痂皮化してきました。7月12日現在、見た目はかなり汚いものの、疼痛はほぼありません。ただし、排便後に拭くときはまだ痛みを感じます。
帯状疱疹を体験し、疾患の経過がどのようなものかわかって勉強になりました。
最後に、Beethovenの弦楽四重奏曲より、「病が癒えたることの神への感謝の歌」。
・Heiliger Dankgesang eines Genesenen an die Gottheit, in der lydischen Tonart