トーマス・ツェートマイヤー

By , 2014年10月18日 11:20 PM

24のカプリース全曲演奏会に行ってきました。

トーマス・ツェートマイヤー

24のカプリース (ニコロ・パガニーニ)

2014年10月17日 19:00開演 トッパンホール

パガニーニ作曲、24のカプリスは、ヴァイオリン無伴奏曲の頂点の一つです。バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ・パルティータを旧約聖書、パガニーニのカプリスを新約聖書と呼ぶ人がいるくらいです。特に第 24番の主題は、リスト、ブラームス、ラフマニノフらがパガニーニの名前を冠した曲に用いたことで非常に有名です。

非常に技巧的な曲であるため、24曲が一度に演奏されることはあまりありません。ツェートマイヤーにとって、かなりのチャレンジだったと思います。

演奏を聴いて、ツェートマイヤーがこの曲集を完全に自分のものにしていることが伝わってきました。他の演奏家に真似できない個性がありました。

また、素晴らしいと思ったのがボウイング技術です。例えば、第5番の中間部は 16分音符 4個が一単位ですが、楽譜には最初の 3個をダウンボウで、最後の 1個をアップボウで弾くように書いてあります。ところが、そのように弾いている演奏家はほとんどいません。例外的にマルコフが一部そう弾いているのを Youtubeで見ることができます (この動画の 40秒くらい) が、それでも途中からは奏法を変えています。ツェートマイヤーは楽譜の指示通り完璧に弾いていました。

残念だったのは音程です。かなり不安定でした。一曲を通じて調性感のある安定した音程で弾けていたのは、第5, 7, 17, 18, 19 番などくらいで、あとはどこかしか気になりました。まぁ、それでも聴かせてしまうのは凄いんですが (^^;

アンコールは、下記。

ツィンマーマン:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第1楽章

イザイ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニ短調 Op.27-3 《バラード》

J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第3番 BWV1005より 第4楽章

現代作曲家ツィンマーマンの曲は初めて聴きました。難曲ですが、完璧な演奏でした。

・B. A. Zimmermann “Sonata for Violin” Part 1/2 played by Rachel Field

(参考)

Paganiniの手

カプリス5番

カプリス

 

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