C9orf72ノックアウトマウスの話

By , 2015年6月18日 6:00 AM

筋萎縮性側索硬化症 (ALS) や前頭側頭葉変性症の原因遺伝子の一つとして C9orf72の GGGGCC 6塩基反復配異常伸長が知られています。そのモデルマウスの作製に成功した話を 2015年5月28日のブログ記事で紹介しました。

ALSモデルマウス

逆に、C9orf72を神経細胞およびグリア細胞で選択的にノックアウトしたマウスの表現型を調べた論文が Annals of Neurology誌に掲載されました (2015年6月5日 published online)。

C9orf72 ablation in mice does not cause motor neuron degeneration or motor deficits

なんと、このマウスは体重減少はあったものの、ALSのような運動ニューロンの障害は見られず、生存期間も変わらなかったそうです。

この結果をみると、 C9orf72遺伝子異常は、loss of functionというより gain of function、もしくは RAN translationが原因となっているのではないかという印象を持ちます。

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