α-synucleinopathy
神経変性疾患には、α-synuclein病理を示す疾患がいくつかあり、まとめて “α-synucleinopathy” と呼ばれることがあります。いずれも α-synucleinが何らかの役割を果たしていると考えられていますが、なぜこんなに病気の表現型が違うのかはよくわかっていません。
2015年6月18日の Nature誌に、それを説明するような論文が掲載されました。
α-Synuclein strains cause distinct synucleinopathies after local and systemic administration
どうやらラットの脳に異なった形状の α-synucleinを注入すると、それぞれ異なった表現型を示すようです。この仮説が正しいかどうかは今後の検証を待たないといけませんが、凝集のもととなる α-synucleinの形状によって、パーキンソン病になったり、多系統萎縮症になったりすると考えると、これまで疑問が説明出来そうに思えます。興味深い研究です。
(参考)
Nature ハイライト:神経変性: シヌクレインのバリアントが異なる病態を引き起こす