嚥下

By , 2016年2月12日 5:26 AM

2015年12月9日の高畠英昭先生の講演は興味深いものでした。脳卒中急性期から食事させることの重要性。

・特別養護老人ホーム利用者で職員がブラッシング指導し、歯科医師が週1回介入すると、2年間で肺炎が 19→11%になる (YoneyamaT et al, Lancet 1999.)。
・反復嚥下テストも水飲みテストも意味がない。「自発開眼、簡単な指示に従う、全身状態安定」となったら、必要に応じて嚥下内視鏡(VE)、嚥下造影(VF)を行いゼリー摂取開始。
・発症直後からの口腔ケアが大事。仰臥位~半側臥位 30°頭部横向きブラッシング・リンシング(100 ml程度の水道水で洗い流し、吸引)
・栄養管理について。FOOD trial:発症1週間以内の経腸栄養は勧められる。(Lancet2005; 365: 764 -72.)、EPaNICtrial:発症早期の静脈栄養は勧められない。(NEJM 2011; 365:506-517. )
・早期から食事摂取を開始し、胃ろうを避けられれば予後も改善するし、大幅に医療費を減らせるのではないか?
・経管栄養を減らせば、無駄な身体抑制をしなくてすむ。

口腔ケアや嚥下内視鏡や嚥下造影などの嚥下評価のことを考えると、神経内科医単独で行うことは難しく、実際には歯科医師、リハビリ科医師、看護師、STなどとのチームを作って行う必要があるのでしょう。

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