経済学ってこんなにおもしろい!
「東洋経済」という雑誌の今週号は、「経済学ってこんなにおもしろい!」という特集でした。
私は、高校生の頃お世話になった数学の参考書を書いた細野真宏氏が解説している「経済のニュースがよくわかる本」シリーズは全部読みましたが、経済学の知識はほとんどありません。でも、面白くて一気に読んでしまいました。
東洋経済-目次-
・Q1~Q5 消費
なぜあの人はいつも「焼き魚定食」なのか?
なぜ女性はルイ・ヴィトンを選んでしまうのか
なぜ当たりもしない宝くじを買うのか
銀座のコーヒーはなぜ1000円か
なぜ寿司屋には特上、上、並があるのか
ハイブリッド車は思ったより売れない?Q6~Q11 政策
再チャレンジ社会の落とし穴
上限金利規制は善か悪か
最低賃金法はビンボー人を救うか
ホワイトカラーエグゼンプションは残業代ゼロ法か
なぜ無駄な公共事業を止められないのか
規制緩和はなぜ抵抗されるのかQ12~Q14 経営
著作権の延長はなぜ間違いか
PS3はなぜWiiに先行されたか
タクシー会社はなぜ儲からない?Q15~Q17 教育
私学ブームはなぜ起こった?
経済学者はなぜ教育バウチャーが好きか
キャリアウーマンの夫はどんな人?Q18~Q20 金融・マーケット
金融危機はなぜ起こるのか
ファンダメンタルズで株価は決まらない
金融のプロはなぜ失敗を繰り返すのかQ21~Q22 食
魚が食べられなくなるのは誰のせいか
偽装事件はなぜ多発するのかQ23~Q25 人間行動
男はなぜセクハラするのか
日本人はアメリカ人より人を信頼しない
利他主義」は得をする
最低賃金法(→企業は原則としてコスト以上の生産性を生み出す社員しか欲しくないので、雇用の条件がシビアになるかもしれない。失業率が上がる可能性がある。)やホワイトカラーエグゼンプション(ワーカホリックな人間が上司のことが多いので、単に残業代がなくなるだけで、残業自体は減らない)の話は、なるほどと思いました。
一応、皆さんが一番気になる (?) 「男はなぜセクハラをするのか」についてを紹介しておきましょう。一番経済学と関係なさそうなネタですけどね。
男は失敗を前提に女にアプローチする
男がセクハラを起こしやすい理由はエラーマネージメント理論で説明できる。男にとって子孫を多く残すためには数多くの相手を見つけるのがよい。女が自分の相手となってもよいと考えているのに、その機会を逃すことは損失である。気のない相手に迫って断られたとしても、恥をかく程度である。女にとって妊娠・子育ては大きな負担であり、相手の助けなくしては成立しない。そこで女は自分と子どもを養育する意志のある男を選ぶ必要がある。
男にとってはその気がない女も自分に気があるとみなしてしまう第1種の誤り(※本当は正しくないものを正しいとしてしまう誤り)をするほうがよく、女にとっては本気の男を見逃したとしてもその気のない相手にだまされるよりはよい。つまり第2種の誤り(※正しいものを正しくないとみなしてしまう誤り)をするほうがよいのである。これが男女の異性への態度や行動に対する判断の違いを生み、ひいてはセクハラを引き起こす原因だ。
1990年代に米国の大手スーパー「セーフウェイ」では、男性客による女性店員へのセクハラやストーカー事件が続発した。同社では店員は客の目を見てほほ笑みながら応対していた。すると女性店員と男性客の間にだけトラブルが生じたのである。男性客は女性店員が自分に気があると勘違いし、問題行動を起こすようになった。男は女の態度を自分に都合よく解釈するように進化してきたのだ。もちろん男のセクハラが仕方のない行為だという意味ではなく、規範意識の確立や法的整備が求められるのは言うまでもない。
うーん。考えさせられますね。確かに、「気がある」という勘違いを男はしやすく、損ばかりさせられている場面も多い気がします。これも上記の法則のためなのですね。頭では納得です。ただ、「気がある」と思ってもセクハラはダメですよねぇ~。
駅のキヨスクや本屋で売っている雑誌ですので、是非買って読んでみてください。経済学に心理学的な要素が強いことを考えさせられます。