敬愛なるベートーヴェン
「敬愛なるベートーヴェン」という映画のDVDを見ました。
荒唐無稽な筋書きで、あまり楽しめませんでしたが、第九が流れる個所がいくつかあり、そこで音楽に聴き入ってしまいました。映画より、ベートーヴェンの音楽の方がよっぽど心を打ちますね。
それでも、クライマックスの10分くらいは、楽しめました。特に、テーマとしていた弦楽四重奏曲に対してです。大フーガもそうですが、特にお気に入りは弦楽四重奏曲第15番です。3楽章の楽譜には、「病の癒えたる者の神への感謝の言葉」と書いてあるのですが、映画は、仕事が終わった喜びとして描いていました。どう捉えるにせよ、言葉を失う程美しい曲です。特に、それが流れるシーンでの空気の作り方が良かったと思います。ちなみにこの第15番の最終楽章は、第九の最終楽章で使われる予定でした。第九のシーズンになると、いつも第15番を思い浮かべて不思議な気分になります。