また、「アハトヒュアヒュア ヒュンフヒュアヒュア」系のCMで目覚めたが、今日は番号が少し違っていた。「○○ノイーン
○○ノイーン」と連呼している。相変わらずセクシーな女性が登場している。
朝食を摂りに食堂に行ったが、入り口で少し待たされた。忙しそうである。だが、ゆとりがあり、全然いらいらしない。時間の流れがゆっくりなのは、
バカンス中だからか、それともザルツブルグという地の持つ雰囲気か。
朝食後少し楽器を弾いてから、コンサートへ出かけた。コンサートはモーツァルテウムで行われ、時間前なのに人でごった返していた。時間潰しにすぐ
近くのミラベル庭園を外から眺めて、再びコンサート会場へ。最初のモーツァルトの交響曲K183が始まる、あまりの音の軽さ、柔らかさに息を飲んだ。続い
てLidia
Baichのソロだったが、このハイドンのヴァイオリン協奏曲MH207では、明らかにSoloとTuttiが合っていなかった。カデンツァでは
Baichの素晴らしい音色が聴かれたが、それ以外ではテンポが非常に不安定だった。最後の曲はモーツァルトの交響曲K550で、彼の曲の中で最も有名な
曲の一つである。確かに演奏は素晴らしかったが、編成の問題で音が薄すぎた。かなり古楽器や当時の雰囲気を意識した演奏のようではあったが・・・。
コンサートが終わると、川を渡り、新市街へ。昼食はモーツァルト広場すぐ側の「カー・ウント・カー」で摂ったが、味的にはまぁまぁといった印象。 食後のワインを飲みながら地図を開き、次に訪れる場所を探す。「大聖堂」からまず回ることにする。ザルツブルグ大聖堂はモーツァルトが洗礼を受けた聖堂と して知られる。内部は少し暗かったが、非常に凝った作りの建築である。解説書を見ると、外観は後期ルネッサンス様式、内装はローマバロック様式と書いてあ る。 パイプオルガンは6000本ものパイプが使用されているらしいが、残念ながらその演奏を聴くことは出来なかった。
次に向かうは「レジデンツ」。大聖堂のすぐ近くだ。ザルツブルグの大司教が住んでいた家で、会議の間は6歳のモーツァルトが大司教の前で初めて演
奏したことが知られている、由緒ある建物だ。「The Prince Archiepiscopal RESIDENCE OF
SALZBURG」と書かれた英語のガイドブックを買い、中に入る。贅を尽くした絵画や調度品を見て、モーツァルトが大司教に謁見した間を通る。ガイド
ブックには「The Conference Hall(Princely Council Room), It was here where the
Privy Council met and guided the destiny of the Province. In
winter-time, concerts took place in this beautiful environment. Here
Mozart perfomed his first concert before the court of Pince Archbishop
Sigismund Graf con Schrattenbach at the age of
six.」と書いてある。全て見終わった時、雨が降り始めているのに気付いた。
「レジデンツ」から「モーツァルトの生家」に向かう途中で雨足が強くなってきた。途中、建物の影で、ジプシー音楽を演奏している楽団に出会った。
あま
り上手ではなかったので、素通りして先に進んだところ、偶然細い路地で、「JOHANN MICHAEL HAYDN
GEDENKSTATTE」と書かれた建物を始めた。何らかの博物館のようだ。入館料を払って中の展示物を見る。と、館員さんからコンサートを催している
のだけど来ないか?とパンフレットを貰った。残念、今日は先約があるのだ。
モーツァルトの生家はとてもわかりやすい場所にあった。多くの人が訪れており、中が混雑していると嫌だなと思ったが、中は広く、意外とゆっくり観 賞できた。この建物の一部にモーツァルト一家は借家していたらしいのだ。モーツァルトが幼い頃使用していたヴァイオリンなども展示されていた。
外に出ると、かなり雨は激しくなっていた。傘を持っていないことを後悔したが、歩けないほどではない。近くの店を数軒歩き、財布を購入。さらに歩 いていると、スーパーを発見。ザルツブルグの人がどういう生活をしているのか入ってみたが、日本とあまり変わらなかった。キャットフードが数種類売ってい るのを発見し、丁度ヴァイオリンの先生が猫を飼っていることを思い出した。これ以上の土産はないだろうと、数種類購入した。近くには「MUSIKHAUS KATHOLNIGG」というCD屋を発見。品揃えは多くないが、昨日見たCD屋よりは良さそうだ。雨が激しくなり、ホテルに戻ることとした。「馬の水飲 み場(Pferdeschwemme)」を通ってホテルに戻った。
ホテルの部屋でテレビをつけると柔道で野村選手が金メダルを取ったシーンを見ることが出来た。サッカーも見たかったが、テレビでは放映されていな
かった。こちらでは、オリンピックは普段見ることの出来ないマイナーなアマチュアスポーツに焦点が当てられていて、サッカーなどメ
ジャーなスポーツはほとんど放送されていない。もちろん、彼らにとってサッカーは地元のリーグやヨーロッパチャンピオンズシップ、ワールドカップが重
要な関心事で、オリンピックでサッカーを見ようとはあまり思わないのだろう。全然見たこともないスポーツがずっとテレビで流れていた。日本のように視聴率
が全てという番組構成ではあり得ない話だけど。
夕食は「ゴールドナー・ヒルシュ」という祝祭劇場近くのレストランを予約してあったので、ずぶ濡れになりながら、向かった。食事はとても美味し かったけど、誰か一緒に食べる人がいたらなぁ・・・と感じた。その日の夜は前日のように空腹感を感じることなく部屋で過ごし、ぐっすりと眠った。